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二次創作って分類を作ったのに、何もないのはさびしいなと思いましたので、イレブンとカッティの出会いを書いてみました。



清水が血と泥で汚れた。
小川の畔で屈強な大男、イレブン・オーヴィルが顔と手についていた汚れを洗い落としていた。
森の洞窟でカルト宗教の団体が生け贄の儀式を行っているとの噂を聞き、調査に赴いてたのだが、すでに儀式は執り行われ、魔物と戦うことになってしまったのだ。
太い指でポシェットから傷薬を取り出し、腕の咬み跡に塗りつける。

「……ッ!全く、最近は効率の悪い調査ばかりだ」

川辺に腰を落ち着けて、イレブンは独りごちた。
人類の危機を未然に防ぐため、原因となりそうなものを調査して回っているイレブンだったが、ここ二ヶ月ほどは外れくじばかりを引いていた。

「やはり、単独行動には限界があるか。魔力の少ない私では対応できない状況も多いしな」

とはいえ、他の人間と調査を共にする気にはなれなかった。
未来より時間遡行を行い現在に降り立ったイレブンは、パラミタでの身分を保障するものが何もないため正規の調査団には入れない。身分を問わない調査班も中にはあるが、そのほとんどが盗掘等を目的にしているため、参加する気になれないのだ。
体力の回復を待っている間、イレブンは悩み続けていた。

そのとき、ガサリという物音とともにピンク色の髪が動いた。
反射的にイレブンはサーベルを手に取る。

「ちょっと待ってよ!あたしは敵じゃないって」

透き通るような少女の声だった。手をあげながら、メイスを背負った小柄な少女が森の陰からそろそろと出てくる。
イレブンは気を緩めず、剣先を少女に向けた。

「何者だ? こんな森の奥に来るとは。迷子というわけではないだろう」
「まぁ、落ち着いてよ。あたしの名前はカッティ・スタードロップ。目的はあんたと同じだよ。あ、それはさっきの戦いの傷? 」
「なぜそれを知っている? 」
「決まってるじゃない。あたしもあの洞窟の中にいたからよ。お近づきの印にヒールでもしてあげるわ」

イレブンの同意を得る前に、カッティと名乗った少女はヒールの呪文を唱え始めた。光がイレブンの傷跡を包むと、みるみるうちに痛みが治まった。

「それにしても、さっきの戦い方はすごかったねぇ。魔物に片手を咬ませておいてから、喉を切りつけるなんて普通の精神じゃあできないよ。前世はターミネーターかい? 」
「むしろ、今がターミネーターだな」
「それ冗談? あんまり面白くないよ」

早口でしゃべり続けるカッティの雰囲気に飲まれ、いつの間にかイレブンは剣を下ろしていた。

「ところで、お前とはどこかで会ったような気がするんだが……」

イレブンが疑問を口にすると、カッティはやれやれといった風に肩をすくめた。

「何度も会ってるじゃない、戦場で」

そういえば、プリーストのくせに常に最前線にいる変わった少女がいたな、とイレブンは思い出した。金色の目を輝かせて、敵陣に突撃するピンクの髪を。

「とはいえ、こうやって話すのは初めてだけどね。今日は眼福ものの戦いを見せてもらったから、声をかけようと思ったのよ」
「そうか」

イレブンは剣を鞘にしまうと、これ以上、話すことはないというように口を閉じた。小川で水の流れる音だけが静かに響く。

「ちょっと、こんな可愛い子が目の前にいるのに、なんの話もないの? 」
「自分から可愛いという人間ほど」ゴスン! 「……殴ったな」
「殴ったわよ」

電光石火の早業で、カッティはイレブンの鼻っ柱をメイスで殴っていた。

「安心して。鼻血はヒールで直してあげるから」
「そういう問題か? 」
「そういう問題よ。人を殴っても、後で治せば問題ない。これってプリーストの特権だもの」

この女、頭がおかしいとイレブンは、ゴスン! 「……なぜ殴った」
「いや、腹の立つことを考えていそうだったから。ありゃ、血がいい具合に出ちゃってるね。ヒールしとくよ」

イレブンの頭がホワンとヒールの光に包まれる。

「で、結局お前は何をしにやってきたんだ? 雑談がしたいだけではないだろう」
「そういうの分かっちゃうんだ」
「当たり前だ。わざわざ、ゆっくりと話のできる場所に着くまで待っていたんだろう。慈善の心でヒールをかけるだけなら、洞窟を出た直後でもよかったはずだしな」
「まあね」

カッティは腕を組み、一息ついた。

「あんた、剣の花嫁って知ってる? 」
「一通りは。地球人のパートナーとなる種族のことだろう? 光条兵器をその体から生み出すらしいな。会ったことはないが」
「昔に比べれば増えたとはいえ、地球人とそのパートナーも数はまだまだ少ないからね」
「それで、その剣の花嫁がどうかしたか? 」
「あたしが、その剣の花嫁なの。で、あんた、チームを組みたいんでしょ。なら、あたしと契約しない? 」

独り言を聞かれていたのか、しかし、申し出としては検討の余地があるなとイレブンは考えた。

「……いきなり言われても混乱すると思うから、また会うときまでに考えておいてよ。目的は同じはずだから損はないと思うよ」
「いや、問題ない。契約しよう」

即断だった。

「計算してみたが、デメリットよりもメリットの方がはるかに大きい。それで契約ってのはどうやるんだ? 」
「……コンピュータ並の計算速度ね」
「頭の中にコンピュータは入っているからな」
「冗談のセンスはやっぱないのね。契約とは言っても何か特別な儀式が必要とか、そんなのはないの。手を握れば自然に契約の言葉が頭に浮かんでくるの」
「簡単なものだな」
「お手軽なのが売りの一つよ。そうだ、試しに光条兵器も作ってみる? 」

ああ、とイレブンは頷いた。

「頭の中のイメージ通りになるから、自分が使いたい武器を想像してみて」

イレブンとカッティは目を閉じ、互いの手を握る。すると、二人の手から光がこぼれ、次第に一つの剣となった。

「できたよ!……ってこれ、あんたの腰にあるサーベルと同じじゃない! もうちょっと、なんて言うかスペシャルな武器にしなさいよ」
「これが一番、手に馴染む。ほう、軽いな」

二、三回とイレブンは光条兵器を素振りしている。
珍しくイレブンの口元には笑みがあった。

「気に入ったなら文句は言わないけどね……。で、そろそろあんたの名前を教えてよ。パートナーなんだしさ」
「イレブンだ。イレブン・オーヴィルと言う」
「じゃあ、これからもよろしく。イレブン」
「こちらこそだ。カッティ」

光条兵器を光に戻し、二人は堅く握手をする。

「ところで、戦場や遺跡を回るなら学校に入学するのはどう? パラミタの学校は生徒を派遣するところも多いよ」
「考えたことはあるが、私には何の身分を証明するものがないからな」
「剣の花嫁をパートナーに持っているなら、それが何よりの身分になるわよ。特にシャンバラ教導団ってところは剣の花嫁を特別視しているらしいし」
「そうなのか? ならば、その教導団とやらに行ってみるか」

二人は森を抜けて、教導団のあるヒラニプラまで向かうことにした。

---こうして二人の出会いは、
「しかし、人類の危機を防ぐという目的を持ってカッティも動いていたとは驚きだな」
「へ、あたし、そんな目的持っていないよ。戦場に立ち続けることが目的だし」
「……私と目的は同じだと、言っていなかったか? 」
「いやいや、そんな突拍子もない目的なんてあたしにはないよ。ヒーローじゃないんだしさ。ま、いいじゃない。イレブンの手段は戦場にあるに違いないんだから。あたしの目的はイレブンの手段と同じだよ」
最初から微妙にすれ違っていた---


つたない文章をお読みいただきありがとうございます。

短い文章でも起承転結があれば面白くなるのですが、今回はちょっと起伏のない内容ですね……

二次創作を書くのは初めてなので、至らない点があればご指摘ください。
これからもぼちぼちと書いていきます。
次に書くとすれば、教導団入学編でしょうか。
今後は登場人物も増やして書いてみたいですねー。
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